1日目はまず、電車でベルンを経由しインターラーケンへ。そこからさらに乗り継いで、山あいの街グリンデルヴァルトへ向かいました。いよいよここから、ケーブルカーと登山電車を乗り継いで標高3,454m、ヨーロッパ鉄道駅の最高地点に位置するユングフラウヨッホのスフィンクス展望台へ！途中のアイスメア駅では5分間だけ停車があり、窓から広がる真っ白な雪景色を堪能しました。

アイスメア駅にて雪景色を堪能

展望台に着くと、刺すような冷たい空気が頬を打ち、足元からは雪の白さが目に飛び込んできました。季節は7月。夏とは思えないこの雪景色に、まずは静かな衝撃を受けます。日差しは強く、サングラス越しでも眩しいほど。それでも、目の前に広がる光景から目を離すことはできませんでした。視界いっぱいに広がるのは、どこまでも続く真っ白な雪原と、鋭くそびえる山々。そのあまりの美しさに、ここが現実の世界だということを一瞬忘れてしまうほどでした。
澄み切った空の中を、黒い鳥が悠々と弧を描きながら飛んでいました。立ち尽くしていると、「自分の知らない世界が、まだまだこんなにあるのだ」と強く感じました。そして、地球の広さと奥深さを肌で実感し、この瞬間に立ち会えたことへの感謝がこみ上げてきました。

メンヒの山を背景に

スイッシーキャンディとともに

再び中に入るとスイスの国花エーデルワイスをモチーフにしたライトや、大きなスノードーム型のオブジェがありました。さらに氷の洞窟では、壁や天井までもが透明な氷でできていて、ひんやりとしていました。奥へ進むと、氷で形作られたペンギンや白くま、鳥たちが並び、まるで童話の世界を歩いているようでした。

一面を氷で覆われた洞窟内

かわいらしいエーデルワイスのライトとスノードーム

氷でできたペンギンたちの群れ

帰りは別ルートで下山し、途中のクライネシャイデック駅で散策タイム。周辺には色とりどりの高山植物が咲き誇り、真横を赤い登山列車が通り抜ける、まさにスイスらしい風景が広がっていました。少し足をのばすと、ファルボーデン湖にたどり着きました。ここは「ミラーレイク」としても知られ、晴れた日には湖面に山々が映り込む美しい情景が見られる場所です。私たちが訪れたときは少し曇っていて映り込みは見られませんでしたが、それでも澄んだ水と、目の前に迫る雄大な山々は息をのむ美しさでした。自然の静けさと力強さが共存するこの場所で、しばらく言葉も忘れて景色に見入ってしまいました。

アルプスの植物と赤い登山列車

曇り模様でも美しいファルボーデン湖

グリンデルヴァルトへ戻る電車に乗り込むと、窓の外には再び絵画のような景色が広がりました。列車はゆっくりと斜面を下り、車窓のすぐそばを色鮮やかな高山植物が次々と流れ、茶色と白の模様をまとった牛たちものんびりと過ごしていました。木造の家や花で彩られたバルコニーが目を楽しませてくれました。刻一刻と変わっていく車窓の景色を眺めながら、「今日一日で、どれだけたくさんの新しい景色に出会っただろう」と思わず振り返りたくなりました。電車がカーブを曲がるたびに、違う表情の景色が現れ、最後の最後までアルプスの魅力を感じる帰路となりました。


旅は次回のジャーナルへ続きます。

色使いの可愛らしい建物

列車の真横でくつろぐ牛たち