科名：キク科
学名：Stevia rebaudiana
香りのイメージ：さわやかな草の香り
効能：アレルギー抑制作用・糖尿病予防など
味：砂糖の200～300倍の甘さ

ステビアはパラグアイ原産の多年草キク科植物です。ステビアは約154種類以上が存在しますが、通常の「ステビア」とは甘味料を指します。豊富な種類のステビアの中で甘味を持つのは一種類だけで、植物学上の分類を行なった学者「Pedro Jaime Esteve」の名前に由来して名づけられました。

ステビアの葉の部分にはとても強い甘味があり、葉を噛むだけで口の中に甘さが広がります。砂糖の200〜300倍の甘味が感じられる一方で、甘味成分が高濃度すぎるため苦味を感じてしまうという欠点もあるようです。
また、ステビアの甘味成分含有率がもっとも高いのは開花する前であり、開花後は甘味成分が低下するといわれています。

ステビアの歴史は、16世紀中期頃までさかのぼります。当時はパラグアイでマテ茶の甘味づけに利用されていました。その後、甘味料として各国で使用されるようになり、日本で使用されはじめたのは1970年頃だといわれています。そして、さまざまな研究を繰り返し、砂糖の200〜300倍の甘さを持つ天然甘味料として有名なハーブとなりました。

1972年にはステビア甘味料があめや子ども用歯磨き粉の一部といった、さまざまな商品に添加されるようになり、人々の生活の中にステビアが浸透していきました。さらに1998年には、果実・野菜・ハーブ・スパイスなどを水の中に少量加えて風味をつけた「ニアウォーター」が話題となり、ステビアの需要は大幅に上昇していきます。

ところが、1968年にウルグアイの学者であるプラナスの研究で、ステビアエキスを実験動物に投与したところ、妊娠率が低下したという報告があり、その内容が雑誌に掲載されるとステビアには妊娠中毒や発がん性があるという説が広がってしまいました。ですが、この報告は「ステビアエキス」を投与した結果であり、市販されているステビア甘味料とは異なります。ステビア甘味料は精製された高純度のもので、ステビアエキスとはまったく要素の異なるものです。

ステビア甘味料には、発がん性や妊娠中毒などの毒性が認められないということが、1996年度の厚生科学研究報告書「既存天然添加物の安全性評価に関する調査研究」と、2001年11月に開催された「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添加物合同部会」において判明しています。

さまざまな効能効果を持つステビアは、ダイエットにもおすすめです。ステビアはノンカロリー甘味料にもかかわらず、砂糖の200〜300倍の甘さがあり、市販のスナック菓子・インスタントラーメン・チョコレート・プロテインなどに含まれています。つまり、ダイエット中にステビアが含まれる食品を選ぶことで、カロリーを抑えて食事をすることが可能です。さらに糖質を控えることで血糖値が上がりにくく、糖尿病になるリスクも下げることができます。また一般的な糖類とは異なり、虫歯になる成分も含まれていないため、お子さまのおやつにも最適です。

その他にも、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える働きが期待できます。アレルギーを起こす原因には細胞から放出されたヒスタミンが関与していますが、ステビアにはヒスタミンの解毒作用があるためアレルギーにお悩みの方もご使用できます。

ステビアにはカリウムが多く含まれており、透析治療を受けている方は高カリウム血症になるリスクがあるため、主治医に相談してからご使用ください。また、キク科アレルギーの方は注意が必要です。