科名：フトモモ科
学名：Melaleuca viridiflora
香りの種類：トップ～ミドル
香りのイメージ：ほのかな甘さを感じるグリーン系の香り
効能：鎮静作用・解熱作用・抗菌作用・抗炎症作用など

ニアウリはオーストラリア原産のフトモモ科の植物で、1年中緑の葉をつけている常緑樹です。成長すると20〜30mほどまでに育ちます。

学名ではMelaleuca viridifloraといいます。「Melaleuca」は 「黒と白」という意味を持ち、幹の色が濃いのに対して枝の色が明るい色であることに由来しているようです。また「viridiflora」はラテン語で「緑の（viridis）」「花（flora）」といった由来があり、ニアウリが黄緑色の花を咲かせるためだと考えられています。

ニアウリの特徴は「ケモタイプ」に分類される成分が存在することです。同じ植物から大きく異なる成分が抽出されるため、ケモタイプが存在する精油として取り扱われています。

かつてニアウリはフランス領である、東インドのゴメンから輸送されていたことから、フランスではゴメノールと呼ばれていました。アメリカでは20世紀初頭頃、フロリダのエバーグレーズにニアウリを取り入れはじめましたが、植物から出る化学物質によって他の植物やニアウリ自体の発芽・生育などになんらかの影響を与える（植物間相互作用）ことから危険外来植物に指定されています。

一方、オーストラリア先住民はニアウリの若葉をちぎって煎じ、風邪や頭痛などの治療に使用していたという説もあります。シネオールタイプというケモタイプの精油成分を用いて咳止め・解熱剤・痛み止め・神経痛に利用していました。さらに別のケモタイプの精油は、香水などとして利用していたようです。こうした歴史からニアウリの持つ特性が高く評価されており、多くの症状に効果的で今でも幅広く使用されています。

ニアウリには、解熱・去痰・鎮咳といった呼吸器系疾患に対しての効能が期待できるため、風邪や鼻炎などの感染症に効果的です。また消毒作用・鎮痛作用・抗炎症作用・抗リウマチ作用が期待できるので外用薬として用いることもできます。加えてニキビややけどの治療薬としても利用されています。

ニアウリの香りには、精神をリラックスさせる効果もあります。仕事や家事・育児などで疲れがたまっている方は、気分転換に用いてみるのもいいでしょう。また、刺激作用が心身に活力を与え、集中力を高める働きがあるため、気分が落ち込んでいるときや、仕事や勉強に集中して取り組みたいときにもおすすめです。

ニアウリの葉と小枝から水蒸気蒸留法で採油されたエッセンシャルオイル（精油）は、少し刺激が強いため妊娠初期は避けるようにしてください。その他、持病をお持ちの方やお子さま、使用に対して不安のある方は、専門家や専門医に相談してから使用するといいでしょう。